売り手は商品に価格・金額をつけて販売しています。買い手側(消費者)は商品とともにその価格を見て商品の購入を行うかどうかを検討します。どのように価格をつけたらよいでしょうか?また消費者から選ばれるためには、どのように検討したらよいでしょうか?
売りたい価格=買いたい価格ではない
商品やサービスの価格はお店側の問題(商品のコストや利益)だけではなく、消費者の価格に対する考え方(感じ方)も考慮した上で決めていくことが大切です。そのためには、どの範囲の価格帯が消費者に受け入れられるか、最も支持されるかを把握することが重要です。
価格は安ければよいというわけではない
商品やサービスの価格は、その金額によって内容や品質を予想する要素も持っています。
例えば、ブランド品が安い価格で販売されていた場合、それにより必ずしも売上が増加するとは言い切れません。なぜなら、あまりにも安すぎると偽物ではないか?と疑われる場合があるからです。
価格の決め方のパターン
消費者の価格調査の前に主な価格の決め方についてですが、大きく3つあります。
1番目は、製造原価に一定の利益を上乗せして価格を設定する方式です。例えば、原価が1000円の商品に、マージンを200円確保したいならば、販売価格は1200円となります。この方式は製造原価がベースになるので、競争相手がいない商品であれば、常に一定の利益をあげることが可能になります。しかしこの方法が可能な場合は、競争相手が存在しない独占市場の話です。
2番目は競争を意識して価格を設定する方式です。市場価格の調査し、競争相手の価格よりも低い価格に設定します。これは、消費者に情報がいきわたっていて、商品を比較することが可能な状態で、品質が同じであるならば、価格が低い製品を選ぶと考えられるためで、市場にある製品のほとんどが、この方式を採用しています。
3番目は消費者調査などをして、消費者がこれぐらいならば払っても良いという価格感を調べる方式です。
多くの消費者から受け入れられやすい適正な価格とは
では、多くの消費者から受け入れられるためには、どのようなことが重要でしょうか?
それは、消費者の心理を考慮した価格の設定を行うことです。
そのためには、価格調査が有効です。
価格調査でわかることは、以下の4つの価格です。(※ここでは、調査の方法については割愛いたします。)
下限価格(これ以上安いと品質等に不安を感じる価格)
この価格よりも安いと、買い手(消費者)は「品質が悪いのではないか」と疑いをもち、売れにくくなります。
妥協価格(この価格でもしかたがない」と妥協する価格)
買い手(消費者)はこの価格なら仕方ないという価格を表します。
理想価格(「高すぎもせず安すぎもしない」と感じる価格)
お客様が安過ぎず、高過ぎずと思う価格です。
つまり、お客様に最も望まれる価格であり、多くの買い手(消費者)に受け入れやすくなります。
この理想価格を採用すると、購入に際しての価格抵抗感が薄れ、市場へ広まるのが早まると言われています。
上限価格(これ以上高いと買えないと感じる価格)
この価格を上回ると消費者は高すぎると感じて売れにくくなる価格です。プロ用や高級感を求める人にとっての価格になります。
まとめ:価格も企業が消費者に発するメッセージに(価格戦略)
価格は消費者が商品を選択する際の重要な基準で、高すぎる場合も安すぎる場合も売れなくなります。したがって、価格戦略も重要になります。企業が商品の価格を決める際に価格を高く設定しすぎると、その商品は売れなくなってしまいますし、逆に、低価格に設定しすぎると、消費者に品質の悪い商品ではないかと思われてしまい、かえって売れなくなる可能性があります。
そのため、消費者に受け入れられる価格帯を把握して、適切な消費者にメッセージを発することが重要です。