マーケティングの新パラダイム
生産と消費が連動して右肩上がりに上昇してきた時代から、企業の生産能力の向上スピードよりも消費者の需要が小さくなり、その停滞傾向が長く続いてきたため、企業視点では立ちいかなくなってきました。限られた市場の中で企業が存立していくためには、マーケティングリサーチによって、顧客の全体像を把握して、顧客のニーズを知り、ニーズに沿った価値を顧客に提案して、消費者との長期的な関係性を築くことが大切になってきています。長期的な関係性を築いていくためには、消費者の時代の変化に気づき、「心をつかむ」ことが不可欠です。
過去 | これから | |
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人口 | ピラミッド型人口構成 | 少子高齢化型人口構成 |
市場の変化 | 右上がり成長市場 | 平行移動成熟市場 |
視点 | 企業目線 企業シーズの充足 |
生活者視点 顧客ニーズの充足 |
価格の決定 | 価格は原価で決定 | 価格は消費者価値で決定 |
企業活動の姿勢 | 生産志向 販売志向 |
顧客志向 社会志向 支援志向 |
顧客との関係性 | 新規顧客収奪型 企業の一方通行型 |
生涯にわたる価値の追求 顧客との対話型 |
嗜好 | 10人1色 機能的価値の追求 |
10人10色(1人10色) 真に幸せな生活の追求 |
顧客のライフタイル、購入意思決定のプロセス、満足度を知ろう
消費者の心をつかむためには、顧客の動向を知ることがポイントであり、以下のような調査が必要です。
消費者ニーズ
より適切な商品・サービスを提供するために消費者・顧客のニーズを把握すること
ライフスタイル
消費者のライフスタイルを理解し、それと購買行動の関連性を知ること
購買動機
商品の購入やサービスの利用の動機やキッカケをより深く理解すること
使用実態
商品の使用上・サービスの利用上の意見や態度・反応を確認すること
顧客満足度
消費者の商品・サービスに関する満足度と重要度を把握すること
顧客動向の調査・分析から始まるマーケティング
消費者の「心をつかむ」ということは、担当者の思い込みではなく、真の顧客のニーズをもとに意思決定を行っていくことです。
そのためには、一時的な最善策ではなく長期的な最善策を提案していくことも大切です。例えば、顧客が欲しているものが現在の自社にない場合も他社をおすすめして顧客のニーズに誠実に答えるといったやり方で長期的には信頼される企業(=顧客の心をつかむ企業)になることも考えられます。
顧客の動向調査を活用して、顧客のニーズに応えられる企業を目指しましょう。