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市場売上の予測する4つの考え方と5つのアプローチ術

2016年 4月 12日

市場売上の予測する考え方

小売業や飲食業であれば、その立地に出店することでどれだけの売上を見込めるのかを予想するために、また、その売上高で収支の採算が合うのかを事前に検証しておくために市場調査は行われます。売上を予測するのは、調査規模によっては大きなコストがかかります。そこで立地調査にポイントを絞って簡単にできる方法を紹介します。

1.回転率から予測する

お店に設置する席数と回転率から売上金額を予測する方法です。

(例)
売上=客席数(席)×回転率(%)×平均客単価(円)×営業時間(時間)×営業日数(日)となります。

「回転率から予測する方法」は、計算自体は単純な計算方法であり、席数や客単価が分かれば答えを出すことができます。また、実際のお店の中の混雑状況などのイメージもつきやすくなります。ただし、席がない業態では計算がしづらい、計算式内にある「回転率」の設定には業界に対する知見や経験、熟練が必要な方法です。

2.先行指標のデータを基に予測する

お店の立地条件や出店形態を、比較しながら予測する方法です。
方法として以下のような手順で行います。

Step1. 比較対象と評価項目を比較表に書き出す。
Step2.比較表で既存店の評価をする。
Step3.総合点(合計)を出す。
Step4.実績売上と総合点数の相関を調べる。
Step5.ウェイトを調整する。
Step6.総合点数から理論売上を求める式を作る。
Step7.式を使って予測する。

総合点の出し方の例(5点満点)

先行指標のデータを基に予測した例

実績売上と総合点数の相関を図式化

総合点数と売上金額の関係性

この方法は、多くの検討内容や要因を取り入れて考えることができ、様々な視点で比較検討することができます。ただし、比較対象や立地要因の選択や数値化にはスキルや経験が必要な方法です。

3.市場シェアから予測する

市場(商圏・エリア)全体に対して、自店が何%シェアを獲得できるかを推定して予測する方法です。

(例)
売上=市場(商圏・エリア)全体の売上(円)×市場で獲得するシェア(%)

この方法は現在展開されている市場規模が明確であれば、ある程度の金額をつかむことが可能な方法です。小型店舗の場合には市場をシェアするほど大きな吸引力が無い場合が多いため、商圏やエリアを絞り込んで考える必要があります。

4.統計解析手法を用いて予測する

多くの自然現象や社会現象の分析にて実用されている「重回帰分析」という統計解析手法を用いて予測する方法です。

既存店の売上を計算するために、その売上を説明すると考えられる要素を説明変数(例として人口・店舗面積など)として計算式を作ります。

計算式は、最終的に以下のようになります。
売上=(係数1×要因1)+(係数2×要因2)・・・(係数n ×要因n)+定数項

(例)商圏人口、店舗面積、競合店舗数を説明変数とした場合
売上=(係数1×商圏人口)+(係数2×店舗面積)+(係数3×競合店舗数)

market-perspectives03

統計解析を使う方法では、様々な要因をデータとして扱え、計算のモデルができれば、計算式にあてはめる数値を変えてみることで事前にシミュレーションすることができます。

また、売上に影響を与える項目として重要なのは人口なのか、店舗面積なのかどの要因を重視して検討すべきかなど方針も立てることが可能になります。ただし、計算のモデルとなるデータとして、できるだけ多くの店舗のデータが必要になります。(できれば20店舗以上のデータが必要)

まとめ:代表的な予測方法

様々な予測方法がありますが、将来の売上を予測する方法として以下の5つのアプローチ方法があります。

過去のトレンドによる予測(引き伸ばしによる予測)

過去の売上のままで推移していくとどれだけの売上になるか

ジャストフィーリングによる予測

企業のトップや業界の専門家の感覚だとどのくらいの売上になるか

受け皿による予測

消費者の心の動きの行き先に商品・サービスを待ち構えるとどれだけの売上になるか

先行指標による予測

商品・サービスで先を走るランナーの動きを追うとどれだけの売上になるか

奪い取りによる予測

競合相手からシェアを取るとどれだけの売上になるか

どれか1つの予測方法だけでなく、様々な予測方法を組み合わせて決めていくことが重要です。特に最初のころは経験と勘に基づいて行うことが多く、いろいろな予測方法を試すという事があまり重要ではないように感じるかもしれません。しかしながら、今後拡大をしていこうと考えている場合には明暗を分ける極めて重要なポイントです。